今回はコンプレッサーの掛け方の1つ『パラレルコンプレッション(別名:New York Compression)』について解説していきたいと思います!
コンプレッサーを掛けたせいで、音抜けが悪かったり、抑揚がなく単調だと感じた時に試していただきたいテクニックになります!
パラレルコンプレッションは、DRY(コンプをかけてない音)とWET(コンプをかけた音)を混ぜて両者の良いところを引き出すテクニックになります!
また、パラレルコンプレッションに対応していないプラグインでも、DawのBus(バス)をを利用する事でパラレルコンプレッションを行う事ができるので、全てのコンプレッサープラグインで使用することのできるテクニックになります!
パラレルコンプレッションとは?
まず初めにパラレルコンプレッションの仕組みやメリットについて解説していきます!
『コンプレッサーをかけていない原音(DRY)』と『コンプレッサーをかけた音(WET)』をミックスすることにより両者の良いところを引き出すテクニックになります!
分かりやすいように、DRY/WETのメリットとデメリットをまとめておきます!
コンプレッサーをかけていない原音(DRY)の特徴
コンプレッサーをかけていない原音(DRY)の一番の特徴は人間味のあるサウンドです!
デメリットとが、音量バランスが悪く音に厚みがありません。
メリット・デメリット
- メリット
- ナチュラルなサウンド
- 抑揚(ダイナミクスレンジ)がある
- アタック音があるので音抜けが良い
- デメリット
- 音量バランスが悪い
- 音に厚みがない
コンプレッサーをかけた音(WET)の特徴
コンプレッサーをかけた音(WET)の一番の特徴は音量バランスが良く音圧があるサウンドです!
設定次第ですが、デメリットとして単調で音抜けの悪いサウンドになります。
メリット・デメリット
- メリット
- 大きな音を抑えて小さな音を持ち上げるので音量バランスが良い
- 音の厚みがある
- デメリット
- 音を圧縮するので抑揚(ダイナミクスレンジ)がなく単調
- アタック音を抑えるので音抜けが悪い
パラレルコンプレッションの特徴
DRYとWET特徴を踏まえた上で、ちょうど良いバランスを取ることでアタック感のある、まとまったサウンドに仕上げる事が可能です!
結果的に、単調だったサウンドに抑揚(ダイナミクスレンジ)を付けたり、音抜けの良い厚みのあるサウンドを作る事ができます!
またコンプの掛をナチュラルに仕上げることも可能です!
パラレルコンプレッションの使い方
今回は『パラレルコンプレッションに対応しているプラグイン』と『Busを使ったパラレルコンプレッション』の2つの使い方を説明していきます!
パラレルコンプレッションは、ドラム/ベース/ギター/ボーカルなど何にでも使えるので、躊躇せず使ってみてください!
パラレルコンプレッションに対応しているプラグイン
パラレルコンプレッションに対応しているプラグインの使い方は非常に簡単です!
対応している場合はMIXというパラメーターがあるので、コンプレッサーをかけた後にMIXでDRYとWETを調整してあげることでパラレルコンプレッションが行われます!
MIXを100%にすればコンプレッサーをかけた音(WET)
MIXを0%にすれコンプレッサーをかけていない原音(DRY)
Busを使ったパラレルコンプレッション
Busを使ったパラレルコンプレッションの場合、少しだけ手順がありますがパラレルコンプレッションに非対応のコンプレッサーを使う事ができるので、全てのコンプレッサープラグインで使用することができます!
手順1:トラックの出力を分岐
まず初めに『Dry用のトラック』と『WET用のトラック』の2つのトラックを用意する必要がるので、トラックの出力を分岐してあげましょう!
目的のトラックのSENDからBUSを選択してAUXトラックに送るだけです!
SENDを使ったリバーブの掛け方と同じルーティングです!
手順2:コンプレッサーの設定
AUXトラック(WET)の方にコンプレッサーをインサートします。
元のトラック(DRY)の方をミュートした状態で、コンプレッサーをかけた時の理想の設定にします!
手順3:パラレルコンプレッション
元のトラック(DRY)のミュートを解除します!
あとは、元のトラック(DRY)とAUXトラック(WET)の音量を調整する事でパラレルコンプレッションを行う事ができます!
様々なバランスを試してみて、楽曲に合う設定を見つけてみてください!!